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クラスの標準的なスピード指数表は以下のとおりです。
G1 |
100〜 |
G2・G3 |
90〜95 |
オープン |
85〜90 |
1600万 |
85〜90 |
1000万特別 |
80〜85 |
1000万平場 |
75〜80 |
500万特別 |
70〜75 |
500万平場 |
65〜70 |
未勝利 |
〜55 |
通常スピード指数が低ければその馬は能力が低い、もしくは調子が悪いと判断できるのですが、もしそのレースがスローペースだったなら指数が低くても能力を出し切っていない可能性があるので、評価を留保しなければなりません。
スピード指数は走破タイムをベースにした指針であるため、スローペースによってレース全体の走破タイムが悪くなってしまうと、その馬が本来持っている能力以下に表示されてしまいます。
では、スローペースのレースと、そうではないレースをどうやったら見分けられるのでしょう?新聞の成績表にH・M・Sなどと書いてありますが、これでは大雑把すぎて数学的に規定できませんし、当日の馬場状態などの諸条件が勝ちタイムに反映されるならばペースにも反映されなければならないはずです。
通常、競走馬が上がりの3ハロンで出せるタイムの上限は33秒5程度ですからレースがスローペースになって前半部分で時計がかかってしまうと、後半いくら追い上げても一定のタイム以上速く走る事は難しいです。
上がりタイムの上限33秒5を指数に換算すると、どの距離でもおおむねプラス25になりますが、上がり3ハロンで出せる指数の上限が決まるのであれば、ここから先ほど挙げたクラスの標準的なスピード指数を出すために必要なペース指数が逆算できます。
クラス |
芝 |
ダート |
G1 |
0 |
5 |
G2・G3 |
-5 |
5 |
オープン |
-10 |
0 |
1600万 |
-10 |
0 |
1000万 |
-15 |
-5 |
500万 |
-20 |
-10 |
未勝利 |
-30 |
-20 |
クラスに見合うレベルのスピード指数を出すには最低でもこの程度のペース指数が必要になります。これ以下のペースで走ると、上がり3ハロンでいくら目一杯の末脚を使ったとしてもクラスに相応しいスピード指数は出せない事になり、この部分がスローペースで失われてしまった部分なのだと言う事が出来ます。
これはタニノデスティニー号の成績です。
レース |
着順 |
指数 |
ペース |
上がり |
みなみ北海道特別 |
1着 |
79 |
-1 |
0 |
松前特別 |
3着 |
67 |
-27 |
14 |
500万下 |
1着 |
75 |
-7 |
2 |
かきつばた賞 |
3着 |
52 |
-30 |
2 |
松前特別は函館芝2600m、7頭立てで行われたため−27という、1000万下にしてはかなりのスローペースになりました。このため前走の500万下からかなり指数が下がっています。しかし、14という高い上がり指数を出していますから調子が落ちているわけではありません。むしろ指数は低くても決め脚のあるタイプということで要注意の一頭だと言えます。
ペースと上がりは通常、天秤の両端のような関係にあり、ペースが遅くなれば相対的に上がりの決め脚勝負になります。もしも、スローペースであったにも関わらず上がり指数が低いようなら、何か他の要因によって指数が低下している、もしくは状態に疑問符が付く、と言えます。
ペース指数の計算式
{(基準タイム−上がり基準タイム)−(走破タイム−上がりタイム)}×距離指数=A
{馬場指数÷(距離指数+1)}×距離指数=B
{重量差×2÷(距離指数+1)}×距離指数=C
A+B+C=ペース指数
上がり指数の計算式
(上がり基準タイム−上がりタイム)×距離指数=D
馬場指数÷(距離指数+1)=E
(重量差×2)÷(距離指数+1)=F
D+E+F=上がり指数
スピード指数の計算式に比べると、ちょっと複雑ですね。これは斤量や馬場状態の影響を距離による速度比をもとにして上がり部分とそれ以外とに分けて配分しなけばならないからです。
また、ペース指数と上がり指数の和に80を加えたものがスピード指数ですから、どちらかを計算してスピード指数から差し引いて計算する事も出来ます。
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